リーディング指標とは、日本語と英語の造語です。本来は「Leading Indicator」で日本語訳は「先行指標」になります。「先行指標」とは、景気の動向に先立つ指標のことをいいます。今後の景気の成り行きを予測する数値として活用します。「先行指標」は、景気の転換時に先行して変動します。上昇が予測されるときは数値が停滞し、下降が予測されるときは数値が回復するようになります。「先行指標」は内閣府が公表する景気動向指数を将来予測値として活用しています。現在のところ仮想通貨のリーディング指標となる基準値がありません。これから一般的なリーディング指標である景気動向指数を紹介します。
景気動向指数とは
景気動向指数は、今後の経済状況を予測するうえで、すすむ方向性を判断するための指標のことを示します。内閣府の経済社会総合研究所が毎月調査を実施して、2ヶ月後に指標を公表します。製造・雇用状況など約30業種の業績を多面的に組み合わせて公表していて、景気の転機の判断や将来のすすむ方向を予測するために活用されています。代表的な指標は「東証株価指数」「新規求人数」「顧客満足度」「従業員満足度」「新設住宅着工床面積」等々、数十の指標を基にしています。仮想通貨のリーディング指標は、景気動向指数の影響を受けないといわれています。仮想通貨は、開発元の財務状況や市場の状況によって変動します。景気動向指数の使途は通用しないようです。これから、景気動向指数の概要を紹介します。
CIとDIとは
景気動向指数には、景気動向の変化の大きさを表す「CI」と景気動向の変化の方向性を表す「DI」があります。これから、それぞれの特徴を紹介します。
CIとは
CIは英語表記でComposite Index(コンポジット・インデックス)といい、日本語では景気動向の変化の大きさ・量感を判断する指標で、基準年(2020年)を100として比較します。繁忙期・閑散期の経済状況に左右されないように、指標を移動平均値で算出した数値で把握して利用します。前月の数値と比較して大きく増加しているとき、大きく減少しているときは急激な景気の変化が起きているとして対応策を講じる必要があります。景気変動の大きさや量感を見極めるための指標です。
DIとは
DIは英語表記でDiffusion Index(ディフュージョン・インデックス)といい、日本語では景気の変化の方向性を判断する指標です。前章で紹介した約30業種の業績を3ヶ月前と比較します。業績が上昇しているときは「1」、下落しているときは「0」、同等のときは「0.5」として計算します。計算結果が「50」以上のときは、景気が好調であることになり、「50」未満のときは、景気が後退していることになります。景気変動の方向性を見極めるための指標です。
仮想通貨を好評するニュースや情報が広まると、投資が増えるので価額が値上がりする傾向です。また、仮想通貨の発行元の財務状況や市場の評判が芳しくないときは、価額が暴落する傾向です。為替・株式投資は、景気動向指数をリーディング指標として扱います。しかし、仮想通貨のリーディング指標は、景気動向指数と無関係なことが多いようです。
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