仮想通貨のリスク資産としての位置づけ

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仮想通貨は従来の法定通貨と異なり、インターネット上で取引する通貨です。しかし、価額の変動が激しく、通貨から資産であるとの見方に遷移しています。諸外国ではクリプトアセット「crypto-assets」といわれています。クリプトアセットを日本語訳すると「暗号資産(仮想通貨)」になります。国内でも資金決済法で「暗号資産」と表記を統一するようになりました。仮想通貨の発行元は、発行時に総供給量や発行ペースなどのルールをコンピュータープログラムで決めています。仮想通貨のなかでも名高いビットコインは、約10分間隔で2,100万枚が新規に発行されています。約4年ごとに発行量が半減する仕組みです。そのためリスク要素を含んだ資産といわれています。これから、リスク資産としての位置付けについて紹介します。

仮想通貨にはリスク資産の要素がある

インターネット上で取引される仮想通貨は、注意をしなければならないリスクがあります。

価額変動が激しく乱高下がある

仮想通貨は市場価額の変動が激しく、乱高下することが多くあります。法定通貨や株式市場の為替・株価も毎日変動していますが、仮想通貨は取引量・取引高・取引者の規模が小さいので、短期間で価額が急上昇することや急落することがあります。仮想通貨は値動きの変動率が大きいため、価額に影響を与えます。該当の仮想通貨銘柄を購入してから間もなく、価額が急降下することがあることを認識して投資しましょう。

不正アクセスの危険性がある

仮想通貨はインターネット上で取引されるので、仮想通貨取引所に預入した資産やウォレット(電子財布)に不正アクセスされる危険があります。過去に仮想通貨取引所へ不正アクセスがあり、約580億円の資産が流出した事件がありました。仮想通貨はインターネット上で取引する資産ですので、ログインのパスワードを複雑にすることや多層階認証するなど自己防衛をしましょう。

虚偽の51%攻撃がある

仮想通貨の取引は、インターネット上に分散した承認者が51%以上集まると成立します。「51%攻撃」とは、51%の虚偽な承認をして取引を成立させることです。不正アクセス者(集団)が取引の承認を51%以上集めたとき、資産を搾取される危険があります。現時点では「51%攻撃」を防ぐ方法はありませんが、発生の可能性はレアケースといわれています。

法律による規制が未整備である

仮想通貨はインターネット上で取引されるため、全世界が取引範囲になります。世界の国々別に仮想通貨の法整備が異なるケースや法整備されていないケースがあります。法整備や規制がされていない地域で開発されて発行している仮想通貨銘柄や、仮想通貨取引所が事業を展開しています。このような地域で発行された仮想通貨は、活動の実態がない詐欺の場合があるので十分に確認しましょう。 法定通貨に不祥事が生じたときは国・中央銀行が補償しますが、仮想通貨に不祥事が生じたときは補償されません。上記で紹介したリスクで資産を失っても全て自己責任です。仮想通貨は投資目的の損失があり得るリスク資産といえるでしょう。
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