「仮想通貨の価格予測の方法論」

仮想通貨の価格の動向を予想することは非常に難しいといわれています。法定通貨（為替）や株式・債券の取引市場は約150年の歴史がありますので、価格の分析方法や分析ツールが用意されています。しかし、仮想通貨は市場投入されて約15年と浅い歴史です。法定通貨は国や中央銀行が発行元なので、その国の情勢やＧＤＰの成長率を基に、今後の動向の予測ができます。株式・債権は、その企業の業績や財務状況・設備投資状況をみると、今後の動向が予測できます。しかし、仮想通貨は価格予測する基になる基準値がありません。これから、仮想通貨の価格予測の方法を紹介していきます。

仮想通貨の価格予測方法

仮想通貨の価格予想方法は3種類あります。

テクニカル分析

テクニカル分析とは、過去の実績に基づいて統計的傾向を見極めて、取引量による価格変動を中心にして分析をします。テクニカル分析は一般的に、価格変動の履歴を基にして、歴史は今までの動向を繰り返すという原則で分析をします。比較的近い将来の価格予測に用いる分析方法で、完全に正確な価格予測はできません。

ファンダメンタル分析

ファンダメンタル分析は、価格変動の観点ではなく、経済情勢や発行元の企業の財務状況を基に分析をします。仮想通貨市場の価値を過小評価または過大評価しているかもしれないことを前提にして最終的な価格を予測します。

センチメンタル分析

センチメンタル分析は、ジャーナリスト・インフルエンサー・著名な方のSNSの影響力をもつ方々が発信した情報を基にした分析方法です。仮想通貨市場は、該当する銘柄の値動きの噂によって爆買い・爆売りが見受けられます。そのため、価格の乱高下があります。期待感に基づいて事前に把握することで価格を予想します。 時価総額が伸びている仮想通貨銘柄は、将来的に見ても価格が上昇する可能性が高いといわれています。時価総額は、仮想通貨市場の価格と発行枚数から算出することが可能です。この価格予測方法は、前章で紹介したテクニカル分析で、現状の発行枚数・取引量を基に算定します。また、金融庁が仮想通貨の安全性を示したホワイトリストに掲載のある仮想通貨銘柄は信憑性が高いといわれています。ホワイトリストとは、改正資金決済法に従って金融庁の登録を受けた仮想通貨取引所が取り扱う仮想通貨銘柄が掲載されたリストです。このホワイトリストは日本国政府のお墨付き銘柄といわれ、将来価格が上昇する期待があるといわれています。ホワイトリスト以外に、日本暗号資産取引業会が作成したグリーンリストがあります。国内の仮想通貨取引所で取り扱う銘柄なので、取引実績がある銘柄になります。現状では、仮想通貨の価格予測の方法論は曖昧さを含んでいます。前章で紹介した分析方法や金融庁・仮想通貨取引所が公表したリストを用いて予測していきましょう。